イタリアでもっとも普及し、人々が良品として買い求めるのが『ディ・チェコ社』のパスタでしょう。
味が良いということと、固めに茹でるとアルデンテが長持ちするということで愛用されています。価格は普通の乾麺と比べ1,5〜2倍以上高いですが、他の食材は安価なもので妥協しても、「パスタだけはコレ」というファンも多いのです。
以前、中部イタリアのアブルッツォ州にあるディ・チェコの工場を見学したことがあります。山のふもとにある広大な工場では、一日あたり四千トン(80万箱)ものパスタが生産されています。イタリア国内に十八もの工場があるというのですから、それを考えると一体どれだけのディ・チェコパスタが作られているのやら。
工場内は熱気と機械音に包まれていました。大きい機械の中では小麦粉とお湯、塩を混ぜています。他のラインでは、パスタを搾り出したり(銅のシリンダー使用)、切ったり、干して乾燥させたり…という具合に製品が仕上がっていました。
ディ・チェコ社で作られるパスタの総種類は172種とかなり多めです。多様で大量生産ですが、品質維持に手抜きはしません。朝、夕二度の製品チェックは怠らないとか。