最近耳にするスローフードですが、80年代のイタリアで興ったムーブメントで、現在、スローフード協会のもとには、世界132カ国8万5千人の会員が参加しています。実は現代社会を生きる私たちに、大切なメッセージを発信しているのです。スローフード運動が興った背景や現代の食の問題点などを私がまとめてみました。
■現代社会を蝕む悪食とは?
現代社会に生きる私たちは、常にスピードと効率を追い求められて生活しています。
豊かな生活を目指し仕事を最優先するあまり、一番なおざりにされているのが食事でしょう。「お腹さえ膨れれば」と牛丼やソバを毎日のように食べたり、夕食はコンビニ弁当やレトルト食品で済ませたり…。塾通いの子供は個食を強いられ、食卓の団らんや旬の野菜の味を知らずに大人になっていきます。
つまり、現代のファーストライフを支える強い味方がファーストフードです。速い、安い、まずくない…こうして日本全国私たちの舌は同じ味付けで統一され、食事は便利になったけれど、何か満たされない思いを日々抱えて暮らしている気がします。
こんな風に世の中がファーストに向っている時、「待った」をかけたのがスローフードです。以下にスローフード協会のポリシーを引用したものを記載します。
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我々の考え方
私たちはすべての人が喜びという基本的権利と、それに付随する責任を持っていると考えます。それは食の遺産を守り、その喜びを実現してくれる伝統と文化を守る責任です。
私たちの運動はエコ・ガストロノミーという概念のもとに作られました。それはお皿と地球とが強く結びついていることを再認識するということです。
スローフードはおいしく、クリーンで公正な食べ物のことです。私たちは、食べ物はまずは美味しくあるべきだと考えます。または環境や動物の福祉、我々の健康を害さない
クリーンなものであるべきと考えます。そして食品生産者が、その仕事に見合うような 公正な賃金を受け取るべきであると考えます。
我々は自らを消費者ではなく「共生産者」であると考えます。自分たちの食がどのように生産されるのかという情報をきちんと得ることで、生産する人々を積極的に応援することで、私たちは生産プロセスにおけるパートナーになるからです。
Slow food international の日本語ページより引用