料理に香りと風味を加えるハーブは、イタリア料理に欠かせません。主役の肉や魚を、季節の野菜たちを、それは見事に引き立ててくれます。日本でポピュラーなイタリアンハーブといえば、バジルやミント。ローズマリー、セージなどもすっかりお馴染みですね。
ほかにも、ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)風トマトソースに欠かせないオレガノ、ウナギの土鍋蒸しやレバーの串焼きに是非使いたいローリエ、ローマ風トリッパ(牛の胃袋)に必須の野生のミント、ムール貝のワイン蒸しや魚料理に入れて美味なフェンネルの葉…。数え上げたらきりがないくらい、いろんなハーブが使われています。料理の香りづけのみならず、クセの強い内臓料理や肉料理の匂い消しにも大活躍。
そんななかで、もっとも出番が多いハーブといえばイタリアンパセリでしょう。魚や肉の煮込み料理から、魚介のグリル、スパゲティの香りづけ、と何にでも刻んで入れます。パセリとオリーブオイルで作るサルサ・ベルデというソースは美味で、北イタリアの冬の名物料理ボッリート(牛ブロックと野菜を煮込んだイタリア版おでん)には、このソースが添えられています。
あまりにも利用されているので、こんなイタリア語の言い回しも。「あの人ってパセリみたいよね」と言うと「どこにでもでしゃばる人」のことを指すそうですよ。
イタリアと言えば、やはり『パスタの国』というイメージです。一口にパスタと言っても、国土が縦に長いイタリアの麺事情は、南北でずいぶん違います。北は生麺、南は乾麺を主に食べます。それは気候で麦の栽培種が異なるため。
北部では寒さに強い軟質小麦(小麦粉)が生産されてきました。これに卵を加えて手打ち麺にします。優しい食感と卵の風味が特長で、地方によって形も呼び方も色々です。
一方南部ですが、昔から硬質小麦(セモリナ粉)の栽培が盛んに行われてきました。硬質小麦を水もしくは湯で練り、機械で押し出して完全に乾燥させます。スパゲティやマカロニ、ペンネの類がそう。もちろん南部でもプーリア州のオレッキエッティやカバテッリなどの手打ちパスタは作られてきましたが、原料は硬質小麦です。モチッとした弾力がなんとも魅力★
ちなみにパスタとは小麦で作られた加工品の総称です。パスタはイタリア全土で650種類以上もあると言われています。そのバラエティの多さにはただ驚くばかり。
イタリアの基本食材 E ハーブ ■ハーブ概論 |
○ハーブの女王ローズマリー |
○バジルとジェノバ・ペースト |