ゲーテも感嘆した古都
    スポレート
 Spoleto








F.S.スポレート駅〜中心地:徒歩20分もしくはバスで10分  
およそ1kmの距離なので、強健派は徒歩で、体力温存派はバスをお勧めします。
     切符は駅のタバッキーでLinea B,D,AC(1€)
     『ガリバルディ広場(Piazza Garibaldi)』下車。


ガリバルディ広場には、小さなインフォメーションセンター(警察の詰め所)があるので、そこで地図をもらいましょう。
ちなみにガリバルディ広場にあるサン・グレゴリオ・マジョーレ教会の内部にあるフレスコ画は見事です。ロマネスク様式で、典型的なスポレートスタイル。なんと、町のドゥオーモ(大聖堂)とそっくりなのです!
 

*ローマ時代のスポレート:ガリバルディ通り(Corso Garibaldi) の坂道をひたすら上ります。

オイルの門(Torre del'Olio)は、なんとローマ時代のもの。ポエニ戦争の際、トラジメーノの戦い(紀元前217年)でハンニバル率いるカルダゴ軍は、ローマ軍を圧勝し、勢いにのって中部イタリアの町を略奪します。スポレートはカルタゴ軍が街に攻め入った際、熱したオイルをこの門から兵士に向かって浴びせかけ、追い返しました。

さらに細い道を上り、マッツィーニ大通りに出たら、その大通りを進みリベルタ広場(Piazza Liberta')へ。
この広場には、紀元1世紀のローマの円形競技場が見下ろせます。

そしてインフォメーションセンター(こっちが本家)の脇の道via Brignoneを上へ進み一本目の道を左折し、メルカート広場を目指します。左折するとき、正面右手にサン・タンサノ教会(Sant'Ansano)がありますが、ここのイサクの地下礼拝堂(Cripta di S.Isacco)は、非常にオススメです。12世紀のフレスコ画が壁や天井にびっしりと描かれていて、とても素晴らしい。素朴ながら力強さがあり、色も美しいのです。まだジョットなどの巨匠が現れる前なので、立体的、写実的ではないものの、色合いと人物像の表情が豊かです。

その教会を出て、メルカート広場へ。そこへ続く細い道には、小さな門があります。これは
ドゥルススのアーチで、紀元23年に、ローマのティベリウス帝が小ドゥルーソとジェルマニコを称えて建てたといいます。メルカート広場は、ローマ時代はフォロ(広場)としての役割を果たしていましたが、現存するのは、バロック時代に立て直されたものです。18世紀に作られた噴水(フォンテ・ディ・ピアッツァ)が広場のランドマークですね。

そこをドゥオーモ目指して、奥へと進み、突き当りvia fonteseccaを右へ(坂の上の方向)進みます。
余力のある人は、市庁舎Palazzo Comunale横のローマ時代の家Casa di Romanaへ立ち寄るのもいいでしょう。

*中世以降のスポレート

突然、左側の視界に飛び込んでくるドゥオーモ。
ドゥオーモは、スポレートの顔といっても過言ではありません。ローマ時代から順調に発展し続け、その後自治都市となるスポレートですが、1155年、神聖ローマ皇帝フリードリッヒ(通称バルバ・ロッサ:赤髭王)により、町は徹底的に破壊しつくされます。(実は、それなりの理由があるのですが…)
ドゥオーモのあった場所には、ローマ神殿跡に教会が建てられていたのですが、それも破壊されたので、12世紀末、教会の再建が始まり、1198年完成します。ファサートには、7つの大小のバラ窓を配し、ソステルノによる黄金をバックにしたキリストと聖母マリア、バプテスマのヨハネのモザイクは1207年の作です。鐘楼には、ローマ時代の宮殿の石が使われており、完全なるリサイクル。教会と鐘楼はロマネスク様式ですが、正面にかかるアーチの美しいバルコニーは、ルネッサンスの時代のものです。

そして、ドゥオーモの内部は、バロック時代に改装されました。ただし、礼拝堂中央正面で異彩を放つフレスコ画は、ルネッサンス時代のフィリッポ・リッピのもの。彼は、数人の弟子を連れて、スポレートにフレスコ画を描きにやってきます。再三の教皇の申し出によって、重い腰をあげて、スポレートに来たといいますが、来るのを拒んでいたのは、やはり虫の知らせだったのでしょうか。高所で製作中に、落ちて命を落としてしまいます。
リッピの亡き後、その遺志は息子のリッピーニに引き継がれ、1467年に完成しました。フレスコ画の中央部分には、フィリッポ・リッピ父子の自画像があり、白いマントをまとっているのがリッピで、手前の天使が息子といわれています。

ドゥオーモに入ってすぐ右手にあるエーロリ礼拝堂のピントリッキオのフレスコ画(1497年)も、お見逃しなく。

さて、スポレートで一番高いところといえば、アルボルノツィアーナ要塞でしょう。スポレートは長らく教皇領の重要な町として君臨しました。近隣の町々の高台には見張り台が備えられ、外敵の侵入をいち早くロッカに知らせたといいます。この界隈の丘の町を訪れると、面白いことに、どんな小さな町からも、スポレートのロッカを見ることが出来ます。ロッカはまさに付近一帯の防衛の要だったのです。

ロッカは教皇がアビニオンに捕囚になっている時代、教皇の統治力が弱まることを恐れたアルボルノス枢機卿の命によって、建設されました。もともと、ロッカの原型になる建物がすでにあったというのですから、改築したといったほうがいいですね。1359年にガッタポーネが建設しました

この背後にあるモンテルーコの山とスポレートをつなぐ渓谷に、ローマ時代の水道橋があったのですが、ガッタポーネはこの水道橋をロッカに引き入れることにも成功します。立派な砦として建て上げられ、内部には当時の市民の風俗を表す豊かなフレスコ画も残っています。一時は、ルクレッツィア・ボルジャもこのロッカの責任者になったといいます。しかし、近年は牢獄に使われたりして、あまりぱっとしませんでした。

時間が許せば、内部も見学してみたいものですね。
現在は、絵画博物館Pinacotecaも併設しています。

そのロッカの門の入り口を通り過ぎてポンテ通り(via del Ponte)に行くと、塔の橋(Ponte delle Torri)にたどり着きます。ここは、かのゲーテも絶賛した風景で、前述したようにモンテルーコの森とスポレートをつなぐように橋が架かっています。かつてはローマ時代の水道橋で、14世紀末に建て直されました。高さ80メートル、長さ200メートルという巨大な橋なのです。この橋は、渡ることも出来るので(高所恐怖症の方はおススメしませんが)、橋の上からの絶景を楽しんでみてくださいね〜。

旧市街中心部にあるモニュメントは、だいたいこんな感じです。
帰りの駅までのバスですが、少し大回りするルートのため、所要時間は30分と見ておきましょう。
リベルタ広場にバス停があります。



もう一つの視点>
おいしい水が湧き出る街 スポレート

モンテルーコ山から染み出る湧き水は、今でも町の噴水や水飲み場で使われています。
スポレート散策中に喉が渇いたら・・・。バールで水を買うのもいいですが、水飲み場で飲んでみましょう。
主なところは、

   * マスケラの泉 (ロッカの入り口近くのPiazza       Campello) 
   * メルカート広場の噴水fonte della piazza

                                  

スポレートまでのアクセス>
 ■ローマからregionale(鈍行)かIC(急行)で1時間半〜2時間 
   アンコーナAncona、フォリーニョFoligno、ペルージャPergia 行き

 ■フィレンツェからregionaleかICで3時間
   ペルージャ経由でフォリーニョFoligno行きに乗り、フォリーニョでローマ行きのRかICに乗り換える。



***時間の関係でスポレート+モンテファルコのカンティーナ巡りの両方を楽しみたい、という希望も、車と地元に精通した人がいれば叶えられますよね。旅のコーディネートは、butako170@hotmail.co.jpまで、気軽にご依頼ください。
 Copyright(C)2009
TAE KOKAWA  All rights riserved.

要塞の内部は、見学も可能です。
ウンブリアの食卓から 
マスケローネの泉が町で一番美味って言われているんですって。
町の誇りでもあるドゥオーモ。
メルカート広場は噴水もあり、人々の憩いの場所。ティピカルなお土産もここで買えます。
スポレートの目抜き通り『ガリバルディ通り』には、多くの店が軒を連ねています。
オリーブの林から見渡すスポレートのアルボルノツィアーナ要塞は、町のシンボル。
ローマ時代以前より町が形成され、教皇の庇護のもと発展しました。
町の頂にある要塞は、モンテファルコの丘陵地帯からノルチャの
谷までの広大な教皇領の守りの要として機能してきたのです。
 落ち着いた街並みと壮大な自然が同居する美しい町スポレートの
散策は半日〜2日を要します。

ウンブリアの食卓から
おすすめホテル
ホテル カヴァリエレ
hotel Cavaliere
エレガント
旧市街
街の入り口
価格帯
ミディアム
静か
日本語での予約可 16世紀の司教の館を改装した優美で落ち着いたホテル。当時のフレスコ画を眺めながらの朝食は、一生の思い出になることでしょう。ほぼ全室にバスタブ付き。
ホテルのHP
>珠玉の街
>スロートラベル
塔の橋を臨む美しい眺望。
Via Fonte Secca スポレートには、こんな感じで雰囲気のある小道がたくさんあります。歩き回って、お気に入りの道を見つけてみて。
 
  ディスカバースポレート>

       おいしい水が湧き出る街 

モンテルーコ山から染み出る湧き水は、今でも町の噴水や水飲み場で使われています。
スポレート散策中に喉が渇いたら・・・。バールで水を買うのもいいですが、水飲み場で飲んでみましょう。
主なところは、


   * マスケローネの泉 (ロッカの入り口近くの           Piazza Campello) 
   * メルカート広場の噴水fontana della piazza
   * リベルタ広場のローマ競技場が見下ろせる
     所にある泉

大聖堂内部には、フィリッポ・リッピらが手がけたフレスコ画が正面を飾ります。
inserted by FC2 system